2018年1月 アーカイブ
2018年1月31日 22時41分15秒 (Wed)
◆浅田のいない五輪
2018年 平昌五輪が始まる。浅田真央の姿に泣いたあの日から4年が経ったのだ。
2010年「嬉しさが50パーセント、悔しさが50パーセントのメダル」といったバンクーバー五輪のあと引退できず、ソチ五輪を目指した。
彼女の演技の分析力と現役続行の決断に脱帽したが、そのあとを冷静に見れば、いかに自分自身のスケートが芸術としての要素、エンターテインメントの要素に達していなかった課題を謙虚に克服し続ける日々だったのだろう。
そして、2014年ソチ五輪。
彼女と競って金メダルをとった韓国の金研児をみれば、彼女との差は明らかなのだが、残念ながら浅田真央にはその理解力がなかったのだ。
飛んで回ればそれで良しとするテクニック信仰から最後まで抜け出すことができなかった。
飛ぶ前のプレパレーションの長さが、いつも表現を殺し決断力のない彼女の内面を現していたように思う。
フィギュア・スケートの醍醐味は、技術をベースに音楽を背景にした総合表現につきるのだが、決定的な演劇的解釈、表現においていつも劣っていたと言うしかない。
無責任な観客は可愛い可愛いで花を投げるが、世界の大人たちの眼はごまかすことはできない。
ヨーロツパでもアメリカでも、さらに高等なテクニックを要し、成人の感性を刺激するペア・スケーティングや、アイスダンスが人気の種目だが、幼児性の強い日本の観衆は、フィギュア女子の末端のテクニツクに拍手を贈っていた。
そんなことを、ソチ五輪が終わった4年間で観たり学んだりすることで、浅田真央の敗戦を自分なりに納得させてきたのかもしれない。
しかし、ショートプログラムで地獄の淵にいた彼女が24時間の修正で最高の演技で締めくくった、伝説のフリー演技には、ただただ涙があふれた。
私の中では、テクニック、演技力以上の「魂」が心を震わせた。
結果は大会前から判っていたのかもしれないが、心揺さぶらせた彼女の姿勢はリングに投げ入れられたどんは花束より美しかった。
また、心を揺さぶられる瞬間との出会いに心高鳴る。
2018年1月28日 7時18分59秒 (Sun)
◆「今ありて」の前がある
第90回を迎える、「センバツ」。大会歌として『今ありて』が制定され25年が経つという。
それまでに、入場行進や閉会式の大会旗降納の時に流れていた『陽は舞いおどる甲子園』忘れてしまった方は多い。
更に、さかのぼると選抜大会の初代大会歌「蒼空高き甲子園」(通称)は1931年(昭和6年)の第8回大会に制定された。
当時は敵性語であった英語が含まれていたために作曲した陸軍の上層部の反感を買ったことでわずか1年で廃止され、それに代わって1934年(昭和9年)の第11回大会から『陽は舞いおどる甲子園』というかなり軍国主義色の強いこの曲が制定された。
作詞は主催者・大阪毎日新聞社学芸部部長で詩人の薄田泣菫、作曲は陸軍戸山学校軍楽隊であった。
制定年から4大会連続して開会式の入場行進曲に使用されたり毎日放送のセンバツ中継のテーマ曲(インスト)にも使われたが、坂本九の『上を向いて歩こう』が入場行進曲に使われた1962年(昭和37年)の第34回大会以降、前年の流行曲が入場行進曲に使われるようになってからはセンバツにおいては入場行進曲がクローズアップされるようになり、この曲は夏の全国高等学校野球選手権大会の『栄冠は君に輝く』とは対照的に忘れられた存在となってしまった。
また歌詞の中に「選士」など軍国主義時代を彷彿とさせる時代にそぐわない言葉がある他、NHKテレビの開会式中継でも歌詞の字幕スーパーが表示されないことなどが世間にほとんど浸透しなかった一因となってしまい1992年(平成4年)の第64回大会限りで姿を消した。
翌年(第65回記念大会)からは新大会歌『今ありて』(阿久悠作詞、谷村新司作曲)が制定された。
『・・舞いおどる・・・・、』などというタイトルに第二次大戦を描いたジャック・ヒギンズの名作「鷲は舞い降りた」と重なり航空戦と落下傘部隊を彷彿される。
『陽は舞いおどる甲子園』はその時代を反映したもので「軍歌」の匂いが重いが、メロディーラインは血が沸く旋律があり、辛い歴史を背負い築き上げてきた「センバツ」の大会歌は私は好きだ。
NHKテレビの閉会式に決勝を戦った2校での大会旗降納に合わせて演奏されていたことを、今でも思いだす。
鳥肌が立ち、血が湧いた事を…。
『陽は舞いおどる甲子園』
★歌詞★
1、
陽は舞いおどる 甲子園
若人よ 雄々しかれ
長棍痛打して 熱球カッととぶところ
燃えよ血潮は 火のごとく
ラ大毎 ラ大会 ラララララ
2、
戦塵あがる 春なかば
選士らよ 雄々しかれ
輝く王冠の 誉に酔うは何人とぞ
あげよ凱歌を 波のごと
ラ大毎 ラ大会 ラララララ
2018年1月27日 8時00分35秒 (Sat)
◆選抜への吉報
暦とおりの「寒のうち」、厳しい寒波で今朝は15センチほどの積雪となった。前日、第90回センバツ高校野球記念大会の出場36校が発表され、創部120年の歴史を誇る膳所高校が21世紀枠で今春センバツに出場することが決まったと、熱くなれる嬉しいニュースが飛び込んできた。
膳所高校が、甲子園出場は1978年夏以来40年ぶりで、春は1959年以来59年ぶり。春夏通算で6度目とのこと。
さらに、近江高校、彦根東高校の滋賀県勢3校の選出は驚き!
その、膳所高校の最高学年の選手にロビンズの6期生が頑張っている。
過去、甲子園出場校にロビンズ出身者が所属していたが、最高学年では今回が初めてとなる。
そして、データ野球(ID野球)を絡めた分析活動も本格的に取り組んでいるとのこと。
戦略を方向付ける際には重要な役割を果たすことでしょう。
立春間近、楽しみです!
膳所悲願の甲子園1勝を!
滋賀県勢、頑張れ!
2018年1月17日 22時03分38秒 (Wed)
◆年賀状を愛でる③
新年の一番の楽しみは、ラグビー観戦と年賀状だ。年賀状用のデザイン画が容易に手に入り、楽にできるようになった。
しかし、その手軽さとは逆に「虚礼廃止」の思想ではないものの、年賀状は減り続けているという。
それはそれ、個人の価値観なのでとやかく言うつもりはないが、送る覚悟と頂く喜びで元旦からエンジンがかかるというものです。
今年はなんと娘に年賀状を送った。
慣れない苗字に戸惑いながら、30数年続けられた年賀状の一つの節目として感慨深いものがあった。
野球の関係者からは元気なスナップがたくさん届く。
仕事柄、拘ったデザイン優先の楽しいものもかなり減ってきた。
今年も笑いあり、驚き在りのちょっとした華やかさがリビングに額装して正月を彩るのだ。
<左上から>
①.写楽に「うんこドリル」で金運UPを描いたのはクリエーター小谷寿教さん。
毎年、写楽で一年を振り返るのは会社デザイン部の元上司で先輩。
②.日本を代表するグラフィックデザイナー高橋善丸さんの「戌」。
一昨年の「申」からコンセプトが変わりました。
さすが、プロです。同郷の方です。
③.版画家の尾山章さんの土佐犬の横綱。味わいあり。
④.京都の絵師、石川敏文さん。下足番のワンちゃんが何とも・・・。
⑤.木版染染織作家、佐伯武晴さん。「春在一枝中」。
⑥.現代工芸の陶芸作家・荢毛健作さん。センス抜群で優しい。
⑦.井波の彫刻師・谷口俊夫さんの万葉集でも有名な雨晴(あまばらし)あたりから、富山湾をなめ立山連峰の白銀尾根を望む木版画。元会社の先輩。
⑧.陶芸家・池上栄一さん。高校の恩師。去年は年賀状が届かなくて・・・今年はホッとしました。
⑨.会社デザイン部の元先輩、井上さん。戌ですよね?
⑩.岡本太郎記念館館長・平野暁臣さんから、太郎氏の太陽の顔オブジェ。
⑪.日展・染織作家の丹下雄介さん。若いころ渡ったボストン美術館での取材旅が昨日のように思い出されます。
⑫.ミキモトの元ジュエリーデザイナー、大島弥生さん。毎年こんなかわいいデザインを頂いたいます。
⑬.上坂の2018年度版。「三番叟猿の謀(棒)略に大当たりの吉兆!」。2年前の申年の続編。
⑭.今年の第2案。「今年はアヌビス神とプラミッドパワー全開で!」に心改め、一年の全力を誓う…。
アビヌスに「バット」を持たせれば良かったかな~ぁ。
年賀状を愛でる①は2016.1.10掲載。
年賀状を愛でる②は2017.1.12掲載。
2018年1月7日 11時11分10秒 (Sun)
◆おせち。神がやどる。
故郷のお雑煮は醤油の出し汁に四角い切り餅だった。干し椎茸と昆布で出汁を取り、もどした椎茸を刻みと長ネギ細切りをのせた加賀風の雑煮だ。
暮れの29日には父方の親戚三軒が寄って、約20臼の餅をついた。
各家の玄関、床の間、神棚、仏壇、台所、そして御不浄に飾る重ねのお鏡餅と、黒豆や切り刻んだ昆布を混ぜたやきもち用、4枚ほどの伸し餅、大晦日に伸し餅を食べやすい大きさに切るのは息子の10歳くらいまでの、里帰りの最大のイベントだった。
家内は京都の白味噌雑煮。
白味噌以外なにもない仕立てに丸餅の雑煮はなるほど神様に供える神事食の趣がある。
関東の切り餅は武家社会の名残り、京都は公家社会の名残りなのだろう。
そして「おせち」。
31日に頼んでいた娘婿の職場へ取りに行った。
京都の「おせち」は関東に比べ、味が薄いので足がはやい。
お重のうしろには、「一月一日23時までにお召し上がりください」とある。
今年の元旦は家内とふたりだけとなったので、4人前の「おせち」は23時までの勝負は厳しい。
お重を開いて、日本のお節は世界一の食文化であると再認識した。
これほど祈りと結びついた食の習慣はなかなかにみつからない。
子孫繁栄をカズノコに託し、片口いわしの田作りは五穀豊穣、黒豆は邪気を払い、紅白のカマボコには魔除けと清浄を願い、家の安全はタタキゴボウ、昆布巻きに喜び、腰が曲がるまで共にの願いはアカエビに、などなど・・・いわば信仰食ともいうべき内容で、そのうえ女性を家事労働から解放するという、和食の思想をこれほど世界に発信できる行事食はほかにないと思う。
「お節料理」は日本の祈りの食であり、文化そのものであるともいえよう。
その頂点にある「御餅」。
なるほど稲、コメの霊力をさらに突き固めた餅には、延寿、長寿の霊力が倍増していると信じたくなる。
丸餅を二つ重ねて神仏にささげるのは、人間の素直な営みだったのかもしれない。
コメから作った酒で乾杯し、コメからつくった餅を食して、日本人の暮らしは保たれている。
稲とコメにたいする日本人の信仰は、キリストよりも、釈迦よりも絶対的な存在なのだ。
野球人は神がやどる「コメ」を頂き、自らの身体を拵えてほしいと祈る。
さて、今日は「松の内」。
縁起物で頂いた高カロリーな力の源を無病息災を願う「七草粥」を経て、普段の生活へソフトランディングする日なのかな?
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